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2025年 11月 06日(木)15:00

主催イベント

【アジア交流型】シンガポールでの交流型クライミングイベント「Merdeka Monkey」開催報告

10月14日(火)から17日(金)にかけて、代表の小林、スタッフの山口がシンガポールを訪問し、交流型クライミングイベント「Merdeka Monkey(メルデカモンキー)」に参加しました。

 

シンガポールは赤道近くに位置する多民族国家で、街には英語と中国語が飛び交い、屋台の香りに思わず足を止めてしまうような活気に満ちています。そんなエネルギーあふれる場所で、私たちは昨年初めから「見えない壁だって、越えられる。」というメッセージをどのように根づかせていくかを模索してきました。

 

当初は協力先がまったくない状態からのスタートでした。視覚障害者団体やクライミングジム、スポーツ関係者、行政、メディアなどに一つひとつ丁寧に連絡を取り、対面やオンラインを通じて想いを伝えてきました。その結果、SAVH(Singapore Association of the Visually Handicapped)のみなさんと試験的なイベントを開催することができ、昨年11月にはインクルーシブクライミングイベント「Merdeka Monkey」や映画『Life is Climbing』の上映につながりました。そこから一気に輪が広がり、活動の土台が築かれていきました。

 

今年は現地のクライミングジム「アウトポスト・クライミング」の仲間が中心となり、4つの障害者団体と連携して毎月イベントを開催するまでに発展。学校訪問も重ね、10月にはシンガポール初となる目隠しクライミングコンペ「Beyond Sight」を開催しました。当日はクライマーやボランティア、スポンサー、観客など100名を超える方々が参加し、地元メディアにも大きく取り上げていただきました。特別ゲストとしてシンガポール文化省の副大臣にもご出席いただき、今後さらに持続的で豊かな社会をともにつくっていくための確かな基盤が築かれたことを実感しました。

 

さらにこの動きは海を越えて台湾にも広がり、「Formosa Monkey(フォルモサモンキー)」の新たな芽が芽吹き始めています。私たちの使命は活動の“輸出”ではなく、現地の仲間と協働しながら、それぞれの土地の文化や人に根ざした形で育てていくことだと考えています。

 

ここまで支えてくださったすべての皆さま、そして現地で情熱をもって走り続けてくれたアウトポストの仲間たちに、心より感謝申し上げます。

日本から始まった挑戦が、シンガポールへ、そしてアジアへ。これからもともに、見えない壁を越えていきます。

 

※本イベントは、lululemonの社会貢献プログラム「Grow Impact」の助成をいただき、運営されています。

 

代表小林は、かつてパラクライミングの日本代表選手として世界の舞台で競技に挑んでいた頃、日本以外のアジア諸国から出場している選手はほとんどいませんでした。そのとき、他のアジアの国々で暮らす視覚障害のある人たちは、どんな日常を送り、どんな未来を思い描いているのだろうか――そんな問いがいつも心にありました。

 

まずは日本全国に、障害のある人もない人も一緒に楽しめる「交流型クライミングイベント」を根づかせることが、私たちモンキーマジックの第一の目標です。その道のりの途中ではありますが、助成金などのサポートをうけながら、できる範囲でアジアの国々にも活動を広げる取り組みを始めています。

 

クライミングを通じて、「こんな世界があるんだ」と感じてもらえるようなきっかけを届けたい。まだ出会っていない誰かが、自分らしく一歩を踏み出す手助けができるのではないか。そんな思いと、取り組む責任を胸に、私たちは日本、そしてアジアへと活動の輪を広げていきます。

【活動の様子】

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